うさぎの視力はどのくらい?うさぎの目の秘密とは
うさぎさんのチャームポイントのひとつに、ぱっちりキラキラの可愛い“目”がありますよね。
そんなうさぎさんの“目”について、考えたことはありますか?
うさぎさんの“目”は一体どのくらい見えているのでしょう?
視力は?
視界の広さは?
今回は、皆様が意外と知らない、うさぎさんの“目”の謎について、お話させてください!
まずは知りたい、うさぎさんの目の特徴
まずうさぎさんの目は、他の動物に比べ、少し飛び出ています。
これにより、片目でおよそ190度の視野があると言われています。
両目だとほぼ360度見えていることになりますから、視野はかなり広いと言えます。(ただし、真後ろと口元は見えないことが多いようです。)
うさぎは草食動物で、自然界では捕食される側の動物です。
よって、敵にいち早く気づき、瞬時に逃げて生き延びるために、広い視野が見える目が必要だったのでしょう。
また、うさぎは本来、薄明薄暮性の動物です。
この“薄明薄暮性”とは、完全な“夜行性”とは異なり、夕方や明け方などの薄暗い時間帯に活発に動く動物を指します。
それに加え、私達と共に暮らすうさぎさんのほとんどは、うさぎのなかでも“アナウサギ”という種類のうさぎの遺伝子をルーツに持っています。
アナウサギはその名の通り、穴を掘り、日中は安全な穴の中で暮らし、天敵が比較的少ない明け方や夕暮れの時間帯になると、穴の中から出てきて活動するうさぎです。
それらのことから、うさぎの目は、薄暗い時間帯や、穴の中でも活動できるように、人間のおよそ8倍の“光を感じる力”を持っており、多少暗い中でも目が見えると言われています。
色では青や緑を認識する力が優れているようです。
さらに、うさぎの視界で立体的にものを見ることができるのは正面10度ほどだけで、その他は平面的に見えていると言われています。
うさぎさんの持つ視界は、私達の持つ視界とは大きく異なるようですね。
気になるうさぎさんの視力とは
広い視野を持ち、暗い場所でも物が見えるなんて、それは視力もものすごく良いに違いない!…て、思いますよね?
ところがうさぎさん、実は“視力”に関しては、あまり良いとは言えないのです。
言葉を話せないうさぎさんに、視力検査をすることはできませんから、実際にどのくらい見えているのかはわかりませんが、現在の研究では、人間で言うと、およそ0.05〜0.1ほどの近視であると言われています。
おそらく、我が家のうさぎさん(ネザーランドドワーフ ♀)も、見上げる私の顔をはっきりと認識はできていないでしょう。(ただし、目を見て訴えてくることがあるので、距離によってはこちらの目の位置を認識しているのかもしれません。)
代わりに、長い耳や敏感な鼻を使って、声や匂いで人を認識しているのでしょうね。
良くも悪くも、うさぎさんは“目”をそこまで頼りにしていない
ここまでお話した通り、うさぎさんの目は、広い範囲を見ることや、暗い場所でものを見ることはできますが、視力自体はあまり良くありません。
そのためか、うさぎさんたちは、私達人間に比べ、あまり視力というものに依存していないように感じます。
代わりに、音や匂いに敏感で、視覚的なものよりも、感覚的なものを頼りに生活しているようです。
例えば、先程もお話したように、我が家のうさぎさんはおそらく私達家族の“顔”は認識していません。
しかし、家族以外の人間がいると、なんとなく体を強張らせたり、緊張している素振りを見せます。
それはつまり、我が家のうさぎさんは、家族とそれ以外の人間の見分けがついているということです。
では、どうやって私達家族を認識しているのでしょう?
それはやはり“匂い”や“声”だと思うのです。
うさぎさんをなでなでする手の匂いや、名前を呼ぶ声を聞いて、私や夫を家族と認識しているのでしょう。
また、うさぎさんがよくなる疾患のひとつに“白内障”というものがあります。
症状は人間と同じで、黒目が白く濁ってきたり、進行すると視力を失うという疾患です。
人間と同じく、この病気は加齢により発症することが多いですが、うさぎの場合はそれ以外にも、“エンセファリトゾーン”という寄生虫が原因で引き起こされることもあるため、若年期に白内障を発症することも珍しくありません。
そんなうさぎの白内障について調べたとき、私は驚いたことがあります。
なんとうさぎさんは、視力を失っても、トイレやごはんのお皿の位置を変えなければ、体の記憶の感覚で比較的普通に生活できる場合が多いというのです。
もちろん、怪我などを防ぐために、ある程度の工夫は必要ですし、症状や個体差によっても変わってきますが、視覚に頼らずとも生活できる力は、私達人間よりはるかに優れているようです。
まとめ
うさぎさんの目の特徴について、少しは理解していただけましたか?
同じ空間でも、うさぎさんの目には私達とは大きく違う世界が見えているのかもしれませんね。
そして、私達と暮らすうさぎさんは、視力が悪いゆえに、おっちょこちょいな一面があります。
例えば我が家のうさぎさんは、目の前にあるおやつに気付かなかったり、いつもとテーブルの位置が違うと、自分がテーブルの下にいることに気付かず、ジャンプして頭をぶつけたりします。(笑)
どちらもとっても可愛らしく思えますが、うさぎさんが怪我をしたら大変です。
うさぎさんの感覚が狂わないよう、家具は決まった位置からずらさないようにするなど、注意や工夫が必要です。
また、視野が広い分、神経質な子や怖がりな子は、頻繁に周りで動きがある環境だとストレスが溜まりやすいかもしれません。
その場合、ケージの角に屋根付きの寝床などを用意して、“目隠し”効果のある場所を作ってあげると、うさぎさんがリラックスできるのでおすすめですよ。
うさぎさんの“目”の特徴について理解して、うさぎさんにとって過ごしやすい環境を作ってあげましょう!