犬の芸って必要?不要?無理なくしつけるコツと注意点。
犬を飼うにあたって、最初に必要なものは?
愛情や環境はもちろんですが、犬と人が一緒に暮らすために、「しつけ」が必要です。
最近では犬と散歩をする際やドッグランでのマナーも細かくなっていて、なんらかのしつけをせずに犬を飼う人なんてほぼいないのではないでしょうか?
そのしつけの延長線上というか、似て非なるものが「芸」ですよね。
昔は犬は必ず「おすわり」「お手」「おかわり」はするものだと、大体の飼い主さんが教えていたように思います。
できたからどうというわけではないけど、犬とは切っても切り離せない存在の「芸」。
「必要ない」と考える方もいらっしゃるかと思いますが、ちょっと待って。
ただ単に人間の自己満足、ではなく共存するうえで欠かせない「しつけ」のためや、運動不足の解消や老化防止にもなるんです。
できて当然の簡単な「芸」からちょっと高度なものまで、教え方や注意点も調べてみました。
「芸」はいつから教える?
大人になってからよりも、小さいころから教えるのが理想です。三つ子の魂百まで、は人間と同じですね。だいたい2~3ヶ月の頃から教えるのが良いと言われます。ペットショップから子犬を迎えたら、すぐに開始しましょう。
基本から応用まで。教えたい「芸」とは?
まずはこれをマスター「基本のおすわり」
きちんと「聞く姿勢」は何よりの基本。「おすわり」=「今から何か指示をします」の合図だと思わせることに成功すれば、そのあとも教えやすくなります。
公共の場やカフェなどで便利な「伏せ」
床や地べたに「ぺたん」とおなかをつけ、手は基本前に出すスタイルの「伏せ」。
公共の場だけでなく、動物病院に行ったときなどもこれができると安心です。
上記二つは「芸」というよりも「しつけ」の領域かもしれません。
もしこれができないと、一緒にお出かけしたり人前に出したりというのが少々難しくなるでしょう。
また、万が一災害時に避難場所へ連れていくときにも、「おすわり」や「伏せ」は役立ちます。逆にこれくらいはできないと、いくらペット可の避難場所であっても、肩身の狭い思いをするのではないでしょうか。
そういう意味でも、ただの「芸」と侮らず、最低限のマナーとして習得させておきたいものです。
完全服従?!お腹を見せる「ゴロン」
呼び名の通り、「ごろん」とお腹をみせて寝っ転がるしぐさです。
何もしていなくてもこういった格好をする犬もいますが、あまりにかわいいので何度もみたくなりますよね。
そこで、この「芸」を覚えさせて自宅でリラックスしている時だけでなく、たくさんの人に見てもらいましょう。
「ゴロン」がさらに進化した「バーン!」
「ゴロン」ができるようになったら、ついでに「バーン!」もやってみましょう。
体の動かし方としてはほとんど「ゴロン」と同じなのですが、「バーン!」という飼い主さんの指示のタイミングで転がる(死んだふりをする)、というのが特徴です。
「バーン!」というだけでなく、指をピストルの形にして犬を撃つ真似をすると、よりそれっぽくなります。
教え方の基本
愛犬が好きなオヤツを手に持って、最初に匂いを認識させます。
そのあと、例えば「おすわり」であれば指示をだしてからオヤツを犬の頭上にもっていきます。
犬がオヤツに気を取られて上を見ると自ずとお尻が下がります。
完全に座ったら大袈裟にほめ、オヤツをあげましょう。これを何度も繰り返します。
やっているうちに「おすわり」の指示だけでもおすわりするようになります。
また、「伏せ」の場合はおすわりからスタートし、オヤツを下に下げていって犬がペタンと腹這いになったらオヤツをあげる、というように、少しずつ段階的に教えましょう。
もちろん、できたらほめてあげることを忘れずに。
まとめ
人間も子どもの頃からのしつけが大事なように、犬も幼い頃から決まりを守ったりおとなしくする癖をつけておくことが大切です。
子犬の時から一緒に訓練して、基本的な「しつけ」を覚えさせましょう。
人も犬も楽しんで覚えることができるようなら、徐々にレベルアップさせて「芸」に磨きをかけるのも良いでしょう。
また、どの犬もすべての芸ができるというわけではありません。
無理なく、嫌がるのを抑えつけるのではなく気長にやることが大切なのはもちろん、自分で難しいようであればプロのトレーナーさんを頼るのも手。
また、脱臼しやすい小型犬や、コーギーなど胴長短足の犬種はジャンプを教えてはいけない、二本足で立たせるとヘルニアになりやすい犬種など、犬によってはできない体勢もあります。事前に自分の愛犬は大丈夫か、調べてから挑戦しましょう。
なんにしても、「芸」は愛犬との信頼関係を深めるためのものです。
人間の独りよがりで無理強いすることは避けましょう。