ディスカスの繁殖方法にコツはあるの? ペアの作り方から孵化までをわかりやすく解説
熱帯魚を飼っていくといずれ挑戦してみたくなるのが、ディスカスの繁殖です。
なぜ、ディスカスの繁殖に挑戦してみたいと思うようになるのでしょうか。
それは、ディスカスが子育てをする姿にあります。
子育てをする魚
魚は基本的に卵を産んだ後、孵化まで見守るだけでも限られた種類のみです。。
マウスブルーダーと呼ばれる種は子どもが成長するまで危険が迫ったときに親が子どもを口の中に入れて保護しますが、子育てと呼べるレベルではありません。
しかしディスカスは、親は子どもが自分でエサを捕れるようになるまで身体の表面にディスカスミルクと呼ばれる体液を分泌させて子どもたちにそれを齧らせて育てるのです。
親の身体にたくさんの稚魚が群がり纏わりつく姿は圧巻の一言に尽きます。
この光景を見ることが、ディスカス繁殖の醍醐味と言えるでしょう。
ペアのつくり方
繁殖をするためには、ペアを作らなければなりません。
ペアを作るというと、オスとメスを一対で買って来ればよいと思われるでしょうか。
実は、ディスカスの雌雄判別はできないと思った方が間違いありません。
繁殖期に入って、卵を産んでいる方がメスでありその卵に放精している方がオスという見分け方しかないのです。
しかも、オスとメスが一対であれば必ずペアリングするのかといえばそうではありません。
互いに気に入った相手でなければペアにはならないのです。
その為、最低でも5匹を同時飼育することが必要になります。
5匹いればオスのみとかメスのみとなる可能性はかなり低くなるので、ペアリングさせる率を高めたいのであれば7匹とか10匹に増やすことをお勧めします。
繁殖方法のコツ
繁殖方法にはコツがあります。
ディスカスは互いに良いと思った相手を見つけペアになると、水槽の一角を自分たちの縄張りとして占領しようとして他のディスカスを追い払うようになります。
ペアリング行動としてディスカスダンスを行うなどのアドバイスをしている例も見受けられますが、慣れないうちはなかなか見抜けないので、いつも一緒に行動している2匹ができて他のディスカスを一緒に追い払うような行動を取るまで見ておく方が良いでしょう。
新居の準備
ペアリングしていることを確認したら、新居を用意してあげましょう。
繁殖方法で最初に考えておかなければならないことは、新居を用意することにあります。
水量が多いほど安定しますが、一般の45センチタイプ以上であれば十分でしょう。
他の魚がいないことは当然ですが、もし元の水槽と隣同士に置くのであれば水槽と水槽の間に段ボールなどを入れて隣の水槽が見えないようにしてあげてください。
繁殖の為には水温もやや高めにしておく必要がありますので、水槽に設置するヒーターもオートヒーターではなくサーモスタット付で温度設定が自由にできるタイプをお薦めします。
オートヒーターは26度前後に自動設定してくれるので便利ですが、ディスカスの産卵~孵化~稚魚の成長は28度~30度くらいがベストなので自由設定の出来るタイプが便利です。
孵化までの時間
ディスカスが産卵するのは多くの場合、夕方です。
メスが産卵筒などに卵を産み付け、オスが上から放精する行動を何度か繰り返します。
だいたい、100~200個くらいの卵を産み付けてオスとメスが交互に周囲のパトロールと卵にエラを使って新鮮な水をかけ続ける行動を行います。
産卵の開始から、一日を過ぎて卵が黒ずんでいたら受精に成功したとわかります。
更に1~2日すれば、黒ゴマのような稚魚が大量に孵化している姿が見られるでしょう。
産卵してからは、一日中ライトを点灯しておくことが必要になります。
これは真っ暗になると親が不安がるのを防ぐためにしておかなければなりません。
だからと言って一日中昼間にすることはできないので、昼間は普通に点灯し夜は月明かりくらいの明るさになるように調整してください。
デイ&ナイト機能のある照明器具を使うと便利ですが、部屋の豆電球をつけておくなどでも代用は可能です。
新居にいれた後で確認して欲しいこと
ペアになって新居へ移した後に注意して欲しいことがあります。
それは、キチンと産卵しているかを見ておいて欲しいのです。
通常とは明らかに違う大量の卵(500個近く)を産んでいる場合とまったく卵を産まないということが稀にあります。
この場合、ペアがメス同士やオス同士であることが分かります。
このような場合、繁殖は無理ですから元の水槽に戻してやり直しをしなければなりません。
しかし、ペアのまま一緒に戻すと最初のときと同じように他のディスカスを攻撃しますので3日程の間を空けて1匹ずつ戻してあげましょう。